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国立国会図書館の書誌データとは? 1冊の本に何が記録されているか

国立国会図書館の書誌データとは? 1冊の本に何が記録されているか

書景の記事に出てくる数字は、すべて国立国会図書館の「書誌データ」を数えたものです。
書誌データとは、本そのものではなく、本についての記録のことです。

この記事では、実際の書誌データを1冊分のぞいてみて、そこに何が記録されているのか、そして書誌データから何が分かり、何が分からないのかを整理します。

国立国会図書館と納本制度

国立国会図書館には、国内で発行された出版物を納める「納本制度」があります。
国立国会図書館法(昭和23年=1948年)にもとづき、国内で出版物を発行した者には、国立国会図書館へ納入することが義務付けられています。

納められた本は国民共有の文化的資産として保存され、一冊ずつ書誌データが作られます。
この書誌データは、国立国会図書館サーチなどで誰でも検索でき、営利・非営利を問わず利用できます。
書景は、この書誌データを国立国会図書館サーチのAPIで取得して集計しています。

1冊の書誌をのぞいてみる

例として、前回の記事で紹介した『日本十進分類法 新訂10版』の書誌データを見てみます。
この本は2冊組で、書誌も1冊目と2冊目で別々に作られています。
次の表は、1冊目「本表・補助表編」の記録です。

項目記録されている値意味
タイトル日本十進分類法. 1 (本表・補助表編)書名と巻次
タイトルの読みニホン ジッシン ブンルイホウカタカナの読み
著者もりきよし 原編著者と、その関わり方(原編)
出版者日本図書館協会本を発行した出版社・団体
出版年月2014.12出版された年と月
ページ数・大きさ473p ; 27cm473ページ、本の高さ27cm
件名日本十進分類法本の主題を表す決まった言葉
NDC014.45日本十進分類法による分類
NDLCUL653国立国会図書館分類表による分類
全国書誌番号22570041国内出版物の記録(全国書誌)の番号
言語jpn日本語
対象利用者一般一般向け・児童向けなどの区分

NDCの「014.45」は、0類(総記)のうち図書館に関する分野です。
日本十進分類法の本は、それ自身もNDCで分類されているということになります。

書誌データで分かること

書誌データから分かるのは、主に次のようなことです。

  • いつ、どのようなタイトルの本が出版されたか
  • どの分野(NDC)の本か
  • だれが書き、どこから出版されたか
  • ある条件に当てはまる本が、何件記録されているか

書景では、このうちタイトル・出版年・分類を中心に使います。
たとえば「あるタイトルの言葉を含む本が、年ごとに何件あるか」「ある分類の本が全体の何%か」といった数え方です。

書誌データでは分からないこと

一方で、書誌データには次のようなことは記録されていません。

  • 本の中身:本文は含まれないため、書かれている内容そのものは分かりません
  • 発行部数や売れ行き:1件の書誌は、1万部売れた本も100部の本も同じ1件です
  • 読まれ方:どれだけの人が読んだか、どう受け止められたかは分かりません

また、上下巻や改訂版などは、それぞれ別の書誌として記録されることがあります。
上の『日本十進分類法 新訂10版』も、2冊組のため書誌は2件です。
書景の記事で「○件」と書くときは、「本の種類の数」ではなく「書誌の件数」であることに注意してください。

記録のされ方は、時代によって違う

書誌データの項目は、時代によって記録のされ方が異なります。

たとえば、本を識別する国際的な番号であるISBNは、日本では1981年1月に表示と運用が始まりました。
それより前に出版された本の多くには、ISBNがありません。
また、前回の記事で見たように、NDCが記録されている図書の割合も、古い本ほど低くなっています。

さらに、国立国会図書館の蔵書は、国内の出版物をできるだけ集めたものですが、出版されたすべての本と一致するとは限りません。
書景では、数字を「国立国会図書館が所蔵し、記録している図書の件数」として扱います。

どれくらいの本が記録されているか

では、国立国会図書館の蔵書には、毎年どれくらいの図書が記録されているのでしょうか。
出版年代ごとに、1年あたりの平均件数を数えました。

出版年代別の図書件数(1年あたりの平均)
出版年代別の図書件数(1年あたりの平均) 国立国会図書館蔵書のうち、各年代に出版された図書の件数を1年あたりに平均したもの。2020年代は2020〜2024年。出典:国立国会図書館サーチの書誌データ(2026年10月28日取得)をもとに書景が集計 0100,0001950年代: 34,121件34,121件1960年代: 42,210件42,210件1970年代: 64,246件64,246件1980年代: 101,908件101,908件1990年代: 131,093件131,093件2000年代: 162,433件162,433件2010年代: 147,632件147,632件2020〜2024年: 122,353件122,353件1950年代1960年代1970年代1980年代1990年代2000年代2010年代2020〜2024年
出版年代別の図書件数(1年あたりの平均)
項目件数
1950年代34,121件
1960年代42,210件
1970年代64,246件
1980年代101,908件
1990年代131,093件
2000年代162,433件
2010年代147,632件
2020〜2024年122,353件

1950年代は1年あたり34,121件でしたが、1980年代に101,908件と10万件を超え、2000年代には162,433件になりました。
1年ごとに見ると、最も多いのは2005年の173,593件です。
その後は減り、2020〜2024年の平均は122,353件、2024年は112,862件でした。

ただし、ここでの件数は出版された年で数えています。
最近の本の中には、まだ整理中で書誌データが作られていないものがある可能性もあります。
出版の件数が増えてきたのか減ってきたのかは、この先の記事で詳しく調べます。

集計の条件

  • 対象:国立国会図書館サーチの「国立国会図書館蔵書」のうち、資料種別が図書のもの
  • 出版年:書誌に記録された出版年(西暦)
  • 年代別の件数:各年代に含まれる年の件数の合計を年数で割った値(2020年代は2020〜2024年の5年)
  • 書誌の例:国立国会図書館サーチで ISBN 978-4-8204-1413-1 を検索して得た書誌

出典

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